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暮らしを変える、はじめてのスマート照明入門

OSCA (Kazufumi Hamano) 更新

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一歩先行く生活を実現! 初心者のためのスマートホーム入門

多くの読者の皆さんに便利で一歩先ゆく次世代のライフスタイルを実現して欲しいと、スマートホームの基礎知識について解説している本連載。 ここからはスマートホームの中でも比較的導入のハードルが低い「スマート照明」について解説していきます。

1. スマート照明とは?

まずは「スマート照明とは何か?」について説明しましょう。 スマート照明は、スマートフォンやスマートスピーカーを操作して照明のON/OFFや設定変更ができることはもちろん、家庭内の家電と連動して照明をON/OFFしたり、人の出入りをキッカケに照明を操作できる照明機器です。

スマート照明においても、本連載の最初の「スマートホームとは何か?」でも述べたのと同様に、スマート照明を使いこなすレベルが2段階あります。

スマート照明を使いこなすレベル

  1. 人がスマートフォンやスマートスピーカーを操作して、照明のON/OFFをする。
  2. 人が何かの操作をしなくても、自動的に照明のON/OFFや設定変更を行い、快適な環境を作り出す。

読者の皆さんにおいては、ぜひ2のレベルを実現して頂きたいと思っています。

2. スマート照明の操作方法

それでは具体的にスマート照明の操作方法について説明していきます。 上で述べたように、スマート照明の操作は「人が操作する方法」と「人が操作しない方法」があります。 それぞれを更に深掘りすると、次のようになります。

  • 人が操作する方法
    • スマートフォンやスマートスピーカーからを介して操作する
    • スマート照明の専用のスイッチで操作する
  • 人が操作しない方法
    • センサーで何かを検知したことをきっかけに操作する
    • 他の家電との連動で操作する
    • あらかじめ設定したオートメーションで操作する

「人が操作する方法」については、読者の皆さんも容易に想像できるのではないでしょうか? スマートフォンアプリから照明をON/OFFする方法と、下図のような専用のスイッチで操作する方法があります。

スマートフォンのアプリや専用のスイッチで照明を点ける

「人が操作しない方法」に挙げた方法は、具体的には次のようなことです。

  • 人感センサーで人を検知した時に照明をつける。 筆者は実際に家庭内のトイレや洗面所で活用しています。
  • “他の家電との連動”とは、例えば家の玄関のドアが開くのと連動して照明をつけるようなことです。
  • “あらかじめ設定したオートメーション設定”とは、例えば「朝7:00になったら照明をつける」や「日の入り時刻になったら、照明の色を温暖色に変更する」のようなルーチンのことです。

このように、照明機器が家庭内のWi-Fi (ネットワーク)につながり、スマートフォンや他の家電と連動することで、これまでにはない便利さを実現してくれます。

3. スマート照明の選び方

ここまでの説明でスマート照明への興味をより深めて頂けたでしょうか? スマート照明が何なのかが明確になったところで、次は商品選びをしたくなるわけですが、次に皆さんが直面する課題は「商品はどう選べばいいのか?」ということでしょう。

4-1. スマート照明の形状

2022年現在、スマート照明は電球の形の製品が主流です。 日本の家庭で主流な丸い蛍光灯タイプではありません。 最近はシーリングタイプの製品も僅かながらありますが、現時点においては電球型が主流です。そういう点では、家の中で電球を利用している照明からスマートホーム化するのが始めやすいでしょう。 もしも現在シーリングタイプの照明を利用している部屋の照明をスマートホーム化する場合は、電球カバーなどからの買い替えになります。

4-2. スマート照明の明るさ

製品選びの際には、電球の明るさにも注意が必要です。照明器具の明るさを表す単位としては「ルーメンス(lm)」という単位がありますが、スマート電球を導入しようとしている部屋に対してどれくらいの明るさが必要なのかは把握しておきましょう。

市販されているスマート電球をみてみると、世界的に圧倒的なシェアを誇る Philips Hue シリーズでは1,600lmというとても明るい電球が最近発売されました。1,600lmの電球が発売されるまでは800lm, 470lmと、1本だけだと物足りない明るさの電球だけしかありませんでしたので、電球を複数本合わせて明るさを調整していました。 筆者の自宅のリビングは、下図のような5本の電球を取り付けられるペンダントランプを利用しています。

5本の電球を取り付けられるペンダントランプ

「買ってみた結果、明るさが全然足りなかった」という失敗をしないように、電球の明るさに注意してください。

4-3. ソケット種類

また「電球」も大きさに種類があり、大きさによって差し込み口となる「ソケット」にも種類があります。 市販されているスマート電球の多くは「E26」か「E17」のソケットをサポートしています。 ご家庭の電球ソケットの種類を把握することも忘れないようにしましょう。

Philipse Hue の E26電球とE17電球

4-4. 通信方式

また、スマートフォンとスマート電球がどのように通信し合うのかも確認しましょう。 これについては、第1章の「スマートホームの通信の仕組みを理解しよう」でも解説しました。 Wi-Fi経由で操作することができるのか、Bluetooth接続になるかは要確認です。 Bluetooth接続の製品の場合、操作のたびにわざわざ接続操作をしないといけないかも知れませんし、複数の照明を同時に操作できないかも知れません。 通信方式に関してはWi-Fi経由で操作できるものをオススメします。

4-5. プラットフォームへの対応

そして「スマートフォンからどのように操作をすることになるのか?」、アプリとプラットフォームを確認しましょう。 これも第1章の「スマートホームのプラットフォームとは?」で解説しました。 独自のアプリを利用するのではなく、Apple HomeKitや、Google Assistant, Amazon Alexa に対応しているものを筆者はオススメします。

5. おすすめのスマート照明シリーズ

最後にスマート照明の中で、とても大きなシェアを誇る製品シリーズをいくつかご紹介します。

5-1. Philips Hue シリーズ

スマート照明で圧倒的な世界シェアを誇るのが、オランダを本拠地とする Philips(フィリップス)社の Hue (ヒュー)シリーズです。 フルカラーに対応した電球と、持ち運べるライトや、ライトリボン、テレビの映像と連動する間接照明など、様々なユニークな照明もあります。 また電球もE26とE17のものがありますし、明るい1600lmの電球も取り揃えています。

筆者自身も Philips Hue でほぼ全ての照明を実現しており、何ら不便に感じたことはありません。 ただし、少し値段が高めでもあるため、一部の照明機器は、次に紹介するIKEAのリーズナブルな電球で代替しています。

5-2. IKEA TRÅDFRI(トロードフリ) シリーズ

次に紹介したいのが、日本でも人気のあるスウェーデン発祥の家具店IKEAのスマート照明「TRÅDFRI(トロードフリ)」シリーズです。 Philips Hue とは違うIKEA独特のデザインの電球・コントローラーで、様々な電球の種類や用途用に揃えられています。

込み入った話になってしまいますが、IKEA TRÅDFRI(トロードフリ)シリーズは、Philips Hue と同じZigBeeという通信の仕組みを利用しているため、Philips Hue のブリッジと互換性があるため、上記の通り筆者はスマートホームの一部として取り入れて利用しています。 (通信のことに関しては、別稿「スマートホームの通信の仕組みを理解しよう」も参考にしてください)

5-3. SwitchBot 照明

中国の SwitchBot のスマート照明製品も、ある一定のシェアがありそうです。 スマートホームの家電を SwitchBot 社のもので揃えている方は良いでしょう。 また他社との違いで言えば、シーリングライトを発売しているのも、人によっては惹かれるのではないでしょうか? Phillips Hue や IKEA TRÅDFRI だと電球型しかありませんから、日本の住宅では主流のシーリング型をお探しの場合は良さそうです。

おわりに

本稿ではスマート照明の概要と、商品を選ぶ際の注意点について説明しました。 ぜひ、便利な一歩先ゆくスマートライフを手に入れてください。

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