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Appleホームアプリ(HomeKit)に追加した温湿度計の変化の通知を受ける設定

OSCA (Kazufumi Hamano) 更新

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一歩先行く生活を実現! 初心者のためのスマートホーム入門

スマートホームを実現するAppleの「ホームアプリ」では、家庭内のスマート温湿度計が測定した温湿度も確認することができます。 しかし温湿度が変化した際にiPhoneやiPadに通知が欲しい場合、ホームアプリのオートメーション機能で実現することが出来ません。本稿では、その対応として別の方法で通知を受け取る方法について解説します。

結論

先に結論から述べると、家庭内の温湿度計で計測された温湿度が変化した際にiPhoneやiPadに通知する設定はホームアプリの「オートメーション」では実現ができません。 それを実現するには iPhone や iPad にインストールされている「ショートカット」アプリの「個人用オートメーション」機能を利用することで実現できます。 ただし「ショートカット」のオートメーション設定はコンピュータプログラミング的な思考を必要とするため少し複雑ですが、下記で詳しく方法を説明していきます。

なぜホームアプリで実現できないのか?

そもそも、Appleのホームアプリでは、なぜ通知が実現できないのでしょうか?

温湿度計などの「センサー」で検知した変化をキッカケとしてアクションを実行させるにはホームアプリの「オートメーション」を利用します。 例えば「人感センサーに反応があった場合に照明をつける」という設定をしている読者の方もいるのではないでしょうか? 「オートメーション」では「①何かをキッカケに」 「②何かを実行する」の2つを設定します。

ホームアプリでは「温湿度が変化したこと」をキッカケとすることは可能です。 下図のように「温度が低下したら」「湿度が上昇したら」という”キッカケ”を設定することが出来ます。

しかし「②何かを実行する」の点において、他のスマート家電を操作することはできますが「通知をする」というアクションは用意されていません。例えば「温度が低くなったらエアコンをつける」のようにスマート家電を稼働させることはできますが、現実問題としてAppleホームアプリ(HomeKit)に対応したエアコンや加湿器・空気清浄機の製品が(日本国内では)ほとんどありません。 (ので、読者の皆さんは「せめて通知が欲しい」と思って本稿をご覧になっているのではないでしょうか?)

ショートカットアプリの個人用オートメーション

そこでホームアプリの代替となるのが、iPhone, iPad にインストールされているアプリ「ショートカット」の「個人用オートメーション」機能です。

ショートカットの個人用オートメーション機能は、その iPhone, iPad 上での操作を自動化できる機能です。 この個人用オートメーションでは、ホームアプリのオートメーションで実現できなかった「通知」を利用することができます。 しかし今度は「温度が低下したら」「湿度が低下したら」というセンサーの変化をリアルタイムに検知する”キッカケ”の方が利用できないのですが、それは次に説明する理由により筆者は問題ないと考えています。

そもそも温湿度が変化したことの通知を受けたい背景には、「エアコンや加湿器を稼働させるキッカケが欲しい」ということがあるわけですが、その通知は温湿度の変化とリアルタイムである必要がありますか? 例えば「1時間ごとに温湿度を確認して、寒くなっていたら」とかでも良いでしょう。 もしくは「入室した時に空気が乾燥していたら」とかでも良さそうです。

ですので筆者の場合は、普段仕事をする部屋の温湿度を 9:00, 12:00, 15:00 の3回チェックして、湿度が45%以下なら通知をするようにしています。 このように決まった時間に設定することで、仕事中に気が散らないで済むメリットもありました。

このように、ショートカットアプリの個人用オートメーションでは、センサーの変化をリアルタイムに捉えた通知はできませんが、決まった時間に確認して通知することはできます

個人用オートメーションの設定方法

それではショートカットアプリの個人用オートメーションの設定方法を解説していきます。

まずは iPhone, iPad の「ショートカット」アプリを開き、「オートメーション」のタブから「+」マークで追加のフローを開始します。 すると上図の左のように追加するオートメーションの種類の選択を問われますので「個人用オートメーションを作成」を選択します。

次にどのような”キッカケ”で実行するオートメーションにするのかを選択します(上図中央)。 今回は前述の通り、決まった時間に温湿度を確認するため「時刻」を選択します。 そして上図右のように「9:00」を指定しました。

次にアクション(何を実行するか)を決定していきます。 まずは「アクションを追加」をタップし(上図左)、湿度を習得するために「ホーム」を選択して(上図中央)、「マイホームの状態を取得」を選択します(上図右)。

ここからが少しプログラミング的な思考を要求されるのですが、上図左のように「何を取得して」「その値を利用して」「何を実行する」のかを決定していきます。 上図左のように

  1. 湿度センサーから現在の相対湿度を取得
  2. もし現在の相対湿度が45%よりも小さければ
  3. 「ダイニングの湿度が低下しています。加湿器を稼働させましょう!」と通知する

というように設定します。 「通知」は「カテゴリ」→「スクリプティング」→「通知を表示」で見つけることができます。

最後の確認画面(上図右)では「実行の前に尋ねる」をOFFにして(自動的に実行してほしいため)、「完了」をタップして設定は環境です。

これで毎日9:00に iPhone (iPad) が自動的に湿度を確認して、もし湿度が低かった場合に通知をしてくれるようになりました。

まとめ

本稿では、家庭内の温湿度計で計測された温湿度が変化した際に iPhone や iPad にインストールされている「ショートカット」アプリの「個人用オートメーション」機能で通知を実現する方法について解説しました。皆さんのスマートホームライフを便利にする参考になれば幸いです。

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