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スマートホームの仕組みを理解しよう

OSCA (Kazufumi Hamano) 更新

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一歩先行く生活を実現! 初心者のためのスマートホーム入門

スマートホームを基礎から体系的に学ぶ連載の第2回目です。 今回は家庭をスマートホーム化するのに何が必要で、スマートフォンやスマート家電がどのような仕組みでつながって動くのかを解説します。 本稿の内容は少し難しく感じるかも知れませんが、最後まで読めばスマートホームの仕組みが理解でき、スマート家電の導入のハードルがグッと低くなるでしょう。 もしかしたら途中で挫折してしまいそうになるかも知れませんが、ぜひ強い心持ちで読んでいただければと思います。 一歩先行く便利な家庭環境を手に入れましょう!

この記事で学習すること

  • スマートホームを構成する機器
  • スマートフォンとスマート家電がどのように通信し合うのか?
  • スマートホームハブとスマート家電の通信方法の種類

1. スマートホームを構成する機器

まずは、スマートホームはどのような機器から構成されるのかを学習しましょう。 スマートホームを構成する機器は以下の通りです。

機器概要
スマートフォン(タブレット)スマートホームの設定や操作をするのに利用する
Wi-Fiルータースマートフォンやスマート家電が接続するWi-Fiネットワークを作る役割
スマートホームハブ複数のスマート家電を一元管理して、実際にスマート家電に指令を出す役割
スマート家電家電製品そのもの
スマートホームを構成する機器の種類

それぞれの機器の関係を図にすると、次のようになります。 スマートフォンからの命令は、スマートハブを介してスマート家電に伝達されます。スマートホームハブはスマート家電を一元管理して、スマートフォンからの命令をそれぞれのスマート家電に伝える役割を果たします。 この形がスマートホームの仕組みの基本です。

図1. 複数のスマート家電を束ねるスマートホームハブを介して命令を送信する

また、スマート家電自身にWi-Fiの機能が備わっている場合は、上記のようなスマートホームハブを介さずに、スマートフォンとスマート家電がWi-Fiを介して直接通信し合える場合もあります。 常にコンセントから電気が供給されている大型家電製品に多くみられます。

2. スマートホームハブとスマート家電の通信方法の種類

スマートホームハブは、スマート家電を一元管理して命令を伝達する役割の機器だと説明しました。 スマートホームハブの通信について、もう少し深掘りして説明します。

スマートフォンをご利用の皆さんは「Wi-Fi」や「Bluetooth」というキーワードを耳にしたことがあると思います。 いずれもスマートフォンで何かしらの通信をするためのキーワードだということは、なんとなく感じていられるのではないでしょうか? 実際には、Wi-Fiはインターネット通信に、Bluetoothはワイヤレスイヤフォン/スピーカーなどの周辺機器との通信/接続に利用される通信方式です。

一方、スマート家電で利用される通信方式は何でしょう? 主な通信方式は以下のようなものです。

スマートホームで利用される通信方式

  • Wi-Fi
  • Bluetooth
  • ZigBee

ZigBeeという名称は、初めて聞いたという方も多いと思いますが、スマート家電の世界ではメジャーな通信方式で、IKEAやPhilipseなどのスマート家電で利用されている通信方式です。コンセントから安定的な電気の供給を受けない(電池で動くなどの)ような照明機器・電球、人感センサーや温湿度計などのスマート家電に利用される事が多い通信方式です。

スマートホームハブは、これらの複数の通信手段をサポートしている場合があり、複数のスマート家電を取りまとめてくれている役割も果たします。 ZigBeeはスマートフォンが持たない通信方式のため、スマートフォンからWi-Fi経由で受け取った命令をZigBeeにして命令し直す役割もあります。

スマートホームハブの機能・役割

  • 複数のスマート家電を取りまとめて一元管理する
  • スマート家電それぞれの通信方式で接続する
  • スマートフォンが扱えない通信手段ZigBeeで動作するスマート家電を仲介する

一つ例を挙げましょう。 日本でも有名な家具店「IKEA」では、スマートフォンなどから操作可能な照明電球「TRÅDFRI トロードフリ」という商品が売られています。

IKEA TRÅDFRI

IKEAのスマート照明製品の通信方式はZigBeeで、ZigBeeで照明のON/OFFや調光を実現しています。前述の通り、スマートフォンはZigBeeの通信機能を持ちませんので、IKEAのスマート照明と直接通信することができません。 そこで必要になるのがIKEAのスマートハブ製品「TRÅDFRI トロードフリ ゲートウェイ」です。 「トロードフリ ゲートウェイ」は家庭内のWi-Fiルーターに有線LANケーブルで繋いて設置します(上記の図1と同様の形ですね)。 「トロードフリ ゲートウェイ」がZigBeeの家電の制御を代替してくれますので、スマートフォンからの照明ON/OFFの命令はWi-Fi経由でゲートウェイに送られ、ゲートウェイがスマート照明にZigBeeの命令を送り出してくれるという訳です。

スマホと家電がスマートホームハブ経由でZigBeeで通信する例

まとめ

本稿ではスマートホームがどのような仕組み・通信方法で動作するのかを解説しました。スマートホームには「スマートホームハブ」が重要な役割を果たしそうだということが理解できたでしょうか。

次回ももう少し「スマートホームハブ」について詳しく解説していきます。

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