初心者にもわかる!スマートホームとは?
OSCA (Kazufumi Hamano) 更新
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この記事の読者の皆さんは「スマートホームという言葉は聞いた事があるけど、いったい何ができるのだろうか?」と気になっていることでしょう。 今回から始まるこの連載では、スマートホームの基礎知識から活用方法まで、皆さんがスマートホームの導入に失敗しないように詳しく説明していきます。
さっそくこの記事では、次のことを解説します。
この記事で学習すること
- スマートホームとは?
- スマートホームで何が実現できるのか?
- 家庭内をスマートホーム化するための最低条件
- スマートホーム化を始めるための費用感
- スマートホームの今後の展望
ぜひ最後まで読み進めて、一歩先行く次世代の便利な生活を手にしてください。
1. スマートホームとは?
そもそも”スマートホーム”とはなんでしょう? スマートホームとは「家中の家電がWi-Fiやインターネットにつながり、スマートフォンやアプリなどから操作できることはもちろん、家電同士が連動し合える環境が整った状態の家」のことを言います。 皆さんが普段利用されているスマートフォンがWi-Fiやインターネットにつながっているのと同様に、電球・鍵・カーテン・エアコン・冷蔵庫などの何から何までもがWi-Fiやインターネットに接続された状態です。 では、家電がWi-Fiやインターネットにつながっていると、どんな良いことがあるのでしょうか?
2. スマートホームで何が実現できるのか?
実際にスマートホームを実現している筆者の経験として、スマートホームの実現度合いは2段階のレベルに整理できるように感じます。
スマートホームの実現度合い
- 家電のリモコン操作と動作状況が確認できる
- 家電が連動し合って動作する
レベル1 : リモコン操作と動作状況の確認できる
最初の実現レベルとしては、読者の皆さんが想像するような、スマートフォンやスピーカーが家電のリモコン代わりになるような段階があります。 具体的には次のようなことが実現できる段階です。
- ベットにいながら、スマートフォンのアプリで他の部屋の照明を消す。
- スマートフォンで玄関のドアを開錠/施錠する。
- スマートスピーカーにしゃべりかけて、エアコンをつけたり設定温度を変更する。
このようなことは、スマートホーム家電の基本機能です。 例えば、AppleのiPhoneやiPadの「ホーム」アプリでは、次のような画面からスマート家電の操作が行えます。
レベル2 : 家電が連動し合って動作する
皆さんは、家電のリモコンがスマートフォンのアプリに置きかわっただけで満足でしょうか? もちろんそれだけでも便利にはなりますが、目指すべきスマートホームの形は違います。 目指すのは、そもそも人間が家電を操作することなく、家電が連動・協調しあって私たちが快適に過ごせる空間を作り出してくれることです。 例えば次のようなことです。
- 帰宅時に鍵を開けると、照明やエアコンが自動的に動作し始める。
- 朝起きた際は照明が昼白色で点いて、陽が暮れるにつれて徐々に温白色に変化し、夜中に起きた際には眩しくない明るさで点灯する。
- 子供が庭に出た際にはスマートフォンにそれを通知し、仕事中のパソコンに監視カメラの映像を映し出す。
Apple の「ホーム」アプリの例では「オートメーション」という機能でこのような家電の自動化・連動設定を行えます。
スマートホーム家電を購入する際には「実現したい連動動作の仕組みに組み込める家電なのか?」か重要になってきます。「電源のON/OFFだけではなく、強弱までを連動の仕組みの中で制御できるのか?」という細かいところまで含めてです。
以上のことから、読者の皆さんにはレベル2までを是非実現してもらい、より便利な生活を手に入れてもらいたいと思っています。
3. 家庭内をスマートホーム化するための最低条件
現在住んでいる家庭をスマートホーム化する場合、最低限必要になるのはWi-Fiです。 家庭内のスマート家電やスマートフォンをWi-Fiに接続し、通信し合えるようにするためです。 ITが不得意な方にとっては、Wi-Fiの導入こそが最初のハードルになってしまうかも知れませんが、このハードルさえ乗り越えてしまえば、未来の便利な暮らしを手に入れる事ができますので、頑張って乗り越えてください。 Wi-Fiの知識はこのスマートホームのことだけではなく、これから未来を生き抜くためにとても有益な知識です。
4. スマートホーム化を始めるための費用感
現在の家庭をスマートホーム化し始める場合の費用感は、どんなものでしょうか? 実際のところ、スマートホーム化は今利用している家電を少しずつ買い替えていけば良いだけですので、高額な初期投資は必要ありません。 例えば照明の電球だけスマート電球にしたり、もしくは特定の部屋だけを便利にするなどから始められます。
「簡単で低コストにスマートホーム化を始めたいのだけれども・・・」と筆者が相談されたとしたら、照明機器をスマート電球にすることをオススメします。 照明機器は生活の中で便利さを感じやすく、かつ初期投資としての出費は「電球」なので大型家電を買い替えるよりもリーズナブルです。
ただし、家電を買い集めるにも、もう少しだけ知っておくべき基本知識がありますので、焦らずにもう少しだけ本連載を読み進めてください。
5. スマートホーム 今後の普及の展望
最後にスマートホームの今後の展望について述べます。
筆者は、スマート家電が2023年から加速して普及すると考えています。その理由は、まもなく普及が開始する新しい技術により、皆さんがスマートホーム家電を購入する際の難易度が下がるためです。 これまでは Apple, Google, Amazon などのプラットフォームごとに対応するスマート家電を選んで購入する必要がありましたが、2022年秋に利用可能になる新しいiOS, iPadOSやAndroidなどがmatterという新しいスマートホーム共通規格に対応することで、皆さんがスマートホーム家電を買う際に難しいことを考える必要がなくなるからです。また家電メーカー側も共通規格にだけ対応すれば良くなるので生産効率も向上します。このことについては別稿「新しいスマートホームの共通規格matterとは何か?」で詳しくお伝えします。
次回はスマートホームの仕組みを解説
本稿では「スマートホームとは何か」についてお伝えしました。 次回は「スマートホームの仕組み」について解説します、引き続きご覧ください。