iOS「ヘルスケア」アプリとは? 機能と使い方を解説
OSCA (Kazufumi Hamano) 更新
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AppleのiPhoneにインストールされている「ヘルスケア」アプリ、「iPhoneに入っているのは知っているけど使ったことはない」という方は多いのではないでしょうか? この記事をご覧になっている読者の皆さんは「ヘルスケア」アプリに興味があり、アプリで健康管理を始めてみようかなと思われていることでしょう。 今回から始まるこの連載では、そんな読者の皆さんにiOSの「ヘルスケア」アプリの機能と利用方法を解説していきます。 皆さんの一歩先ゆく健康管理のキッカケになれば幸いです。
1. iOS「ヘルスケア」アプリの概要
さっそくですが、iOSの「ヘルスケア」アプリとは何でしょうか? どんなことができるのでしょうか? まずは箇条書きで簡単に列挙すると、次のようなものです。
- あなたの健康に関するデータを記録・集約して一元管理できます。
- 健康データに加えて、運動やフィットネスに関するデータも記録してくれます。
- 集約された健康データの変化などをグラフで分かりやすく可視化してくれます。
- 体調の異変などを検知した場合は、通知やアドバイスをしてくれます。
- 薬の服用スケジュールの管理もできます。
- 健康データは、対応のスマートウォッチや家電から自動的に収集させることができます。
それぞれについて詳しく解説していきます。
2. 健康データの記録・集約・可視化
「ヘルスケア」アプリは、あなたの健康や運動に関するデータを記録・集約してくれます。 そして、それらの健康データを時系列でわかりやすく可視化してくれます。 下図は「ヘルスケア」アプリのいくつかの画面の例です。これまで病院でももらえなかったような、毎日のリアルタイムな健康データをiPhoneでいつでも確認することができます。
「ヘルスケア」アプリは、健康に関する様々なデータを取り扱えます。 その種類の豊富さは、他社のヘルスケアアプリと比べても圧倒的です。 その一部を抜粋すると、次のようなものです。
カテゴリ | 項目 |
---|---|
アクティビティ | ウォーキング+ランニングの距離 |
歩数 | |
アクティブエネルギー | |
安静時消費エネルギー | |
バイタル | 心拍数 |
呼吸数 | |
体温 | |
血圧 | |
血糖値 | |
呼吸 | 呼吸数 |
症状 | せき |
のどの痛み | |
めまい | |
下痢 | |
頭痛 | |
発熱 | |
心臓 | 心拍数 |
心肺機能 | |
身体測定値 | ボディマス指数 (BMI) |
体脂肪率 | |
体重 | |
身長 | |
胴囲 |
また、体のデータだけではなく、ワクチンの接種証明書も取り込んで記録しておく事ができますし、生活の中でワクチン接種の証明を求められた際にはApple Walletで「ワクチン接種カード」を表示させて提示することもできます。 コロナ禍の現代においても、とても便利で魅力的な機能ですね。(詳しくは別稿「ワクチン接種記録をiOSヘルスケアアプリとWalletに追加する方法」で解説します)
3. 通知・アドバイス
ある程度の健康データが蓄積されると、「ヘルスケア」アプリからアドバイスや警告などをもらえるようになります。例えば「ヘッドフォン音量」「騒音」の例だと、イヤフォン・ヘッドフォンで大音量で音楽を聴き続けた時などに、世界保健機関(WHO)の安全聴取ガイドラインが定める騒音暴露限度を超えると通知が来て、耳を休めた方が良いとアドバイスしてくれます。 普段と生活環境やリズムが変わった時などは、特に役に立ちます。
4. 薬の服用管理
2022年秋にリリースされるiOS16からは、薬の服用管理機能が追加されます。服用する薬のリマインダーやスケジュールを設定できるようです。 また複数の薬を服用している場合は、薬物の相互作用や危険性も検知してくれる機能があるようです。 そして、薬の服用履歴も管理され家族や医師に共有することもできます。 本サイトでは、iOS16が利用できるようになったら、この機能は詳しく解説していこうと考えています。
5. スマートウォッチや家電との連携
ここまで述べてきた健康データや運動のデータは過去に遡って手作業でアプリに登録することが可能ですが、実際にはApple Watchのようなスマートウォッチや、その他のスマート家電を利用して自動的に「ヘルスケア」アプリに記録できるようにすることで真価を発揮します。
Apple Watchは、起きている時も寝ている時も運動中でも常に体の状態を記録し続けてくれます。 夜にしっかり寝れているのか、イビキをかいていないかも記録があれば気付く事ができます。運動中も、どのくらい走ったのか・泳いだのかを記録して消費カロリーなども算出してくれます。
「ヘルスケア」アプリには様々な身体データを記録する事ができますが、「それらの身体データをどのように記録するか?」「何の家電・デバイスを組み合わせるのか」を考える部分は、皆さんの頭の使い所です。
読者の皆さんはiPhoneをご利用になられていると思います。iPhoneだけでも「歩数」「睡眠」などのデータは記録されます。 そこから「体重」「体脂肪率」などのデータを補いたければスマート体重計を、運動アクティビティや心拍・呼吸などを補いたければスマートウォッチ(Apple Watch)を、というように、常日頃から気にしたい身体データが取れるスマート家電などを補っていきましょう。
ただし家電では補うのが難しい健康データもあります。 例えば「身長」や「胴囲」などの測定できる家電が世の中にないものや、「血糖値」などのような医者で検査しないとわからないようなものです。 そのような身体データについては、健康診断の後に必ず診断結果を手入力するルールを作ったり、定期的に計測するルールを考えましょう。 例えば「体温」は既にお持ちの体温計で計測した結果を毎朝入力するなどです。
6. 活用方法
最後に「ヘルスケア」アプリの活用方法をいくつかご紹介します。
6-1. 体調不調を感じたとき
筆者は「なんだか最近、体調が悪いなぁ」と感じ始めたタイミングで、体温や症状を平常時よりも注意深く記録するようにしています。 なぜなら、後に病院で診てもらうことになった場合に正確に説明できるようにです。「ヘルスケア」アプリには「体温」「せき」「のどの痛み」「下痢」「頭痛」などの項目がありますので、記録するしておくと良いでしょう。
6-2. 子供の成長記録
また筆者は、息子2人のApple IDを作成して、産まれた時からの身長や体重などを記録してあります。 いつか彼らが大きくなった時の一つのプレゼントにもなるかも知れないとも思っています。
おわりに
本稿ではiOS「ヘルスケア」アプリとは何か? 機能と使い方について解説しました。