2022年現在、メタバースのバーチャルオフィスではどのように仕事ができるのか?
OSCA (Kazufumi Hamano) 更新
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2019年に発生した新型コロナウィルス感染症(COVID-19)をキッカケに、”新しい働き方”として在宅のリモートワークが世界的に広がりました。 これにとどまらず、今後も「場所」「時間」「方法」を問わない働き方が登場し、人それぞれが自分に合った働き方を選んでいく時代になっていくでしょう。
そんな”新しい働き方”として期待できるものの1つに、メタバース空間内のバーチャルオフィスで仕事をする働き方があります。 本稿では、執筆時点の2022年において、メタバース空間ではどのように仕事ができるのかを検証します。
メタバースのバーチャルオフィスで働くとは?
「メタバース空間内のバーチャルオフィスで仕事をする」とは、VRヘッドセットを被って、バーチャルオフィス「Horizon Workrooms」や「Immersed」などに現実のパソコンを持ち込んで仕事をするのが現在最も現実的な方法です。 VRやメタバースに詳しくない方は、まずはその様子を目で見た方が想像がつきやすいことでしょう。 次の画像は Horizon Workrooms というバーチャルオフィスの様子です。
このようなバーチャル空間に自分のパソコンの画面を表示させて作業をしたり、また仕事仲間と集まって会議することができます。
パソコンが持ち込める
メタバースのバーチャルオフィスには、実世界で利用しているパソコンを持ち込むことができます。 パソコンのモニターの映像をVRヘッドセット内に映し出せるのです。 パソコンの操作は、実世界のパソコンのキーボードやマウスを利用しますので、いつものパソコンの使い心地と変わりありません。 ただし、VRヘッドセットをしているのでキーボードを直接見て確認することができませんから、残念ながらブラインドタッチの技術は必要になります。
マルチディスプレイ
メタバースのバーチャル空間は、現実とは違って物を自由に生み出したり配置することができます。 現実には所有していないものも利用できます。 ですので、パソコンの画面を映し出すディスプレイをいくつも増やすことができます。 次の画像のように、仕事がしやすいだけのディスプレイを設置して、いくつもの情報を同時に映しておけます。
このバーチャル空間内のディスプレイでは、WEBサイトを閲覧したりメールを送受信したり、オフィスソフトで文章や資料を作成するような作業であれば十分可能でした。
一方、細かいものを映し出す作業にはまだ向いていません。 細部にこだわるデザインやグラフィックの制作、小さい文字でコードを表示するプログラミングなどは、実世界の4Kディスプレイやハイビジョンディスプレイを利用した方が良いでしょう。バーチャル空間のディスプレイがまだ4Kのような精細な解像度のディスプレイなどと同等の解像度に達していないためです。 VRゴーグルの更なる高解像度化が望まれます。
リラックスできる空間・景色
バーチャル空間は、私たちをどこにでも連れて行ってくれます。ビーチや山にも宇宙にでも簡単に連れて行ってくれて、現実の散らかった部屋を目にすることなく過ごすことができます。更には天候も関係ありません。現実世界が大雨の日でも、清々しい晴天の中で仕事をすることができます。 簡単に景色を変更することができますので、いつでも新鮮な気持ちで作業をすることができそうです。
バーチャルオフィスは持ち運び自由
一度設定したバーチャルオフィスは、持ち運び自由です。 パソコンとVRヘッドセットさえあれば、自宅でもホテルでも、どこからでもいつものバーチャルオフィスに入って仕事ができます。
今後に期待すること
ここまで、メタバース空間のバーチャルオフィスについてメリットばかりを述べてきましたが、最後に「メタバースの今後に期待すること」も記します。
前述のように、バーチャル空間内の視覚的解像度はまだ発展途上です。 よりリアリティに、そして目の疲労軽減のためにも、VRヘッドセットの高解像度化が望まれます。
またメタバースのバーチャル空間内に集まって会議できることに触れましたが、世の中にメタバース空間で仕事をしている人はまだ全くいませんので、2022年現在で会議に利用することはないでしょう。 この点については、VRヘッドセットがスマートフォンのように普及するのを待つ必要がありそうです。 2022年現在は、上述のような自分1人で作業をする場所としての利用に留まります。
次稿は具体的なバーチャルオフィスの比較
本稿では、メタバースのバーチャル空間で仕事ができそうかの検証結果をお伝えしました。 次稿では、具体的なバーチャルオフィスの比較についてお伝えします、ぜひ次稿もご覧ください。