OSCA LABO

Apple「ホーム」アプリ(HomeKit)で始めるスマートホーム

OSCA (Kazufumi Hamano) 更新

この連載のトップページはこちら

一歩先行く生活を実現! 初心者のためのスマートホーム入門

本稿では、これからスマートホームを実現したいとお考えの読者の皆さんに、iPhone, iPad などの「ホーム」アプリを利用してスマートホームを実現する方法について解説します。

スマートホームとは?

そもそも「スマートホーム」とはなんでしょう?スマートホームとは「家中の家電がWi-Fiやインターネットに繋がり、スマートフォンやアプリなどから操作できることはもちろん、家電同士が連動し合える環境が整った状態」の家のことを言います。 スマートホームの初歩から学びたい方は前回の「初心者にもわかる! スマートホームとは?」から読んでみてください。

「ホーム」アプリとは?

Appleの iPhone, iPad, Mac, Apple TV などの製品には、共通した「ホーム」というアプリがインストールされています。 この「ホーム」アプリは家庭内のスマートホームを実現し、各種スマート家電を操作できるアプリです。

「ホーム」アプリの設定は家族で共有することができますので、家族全員がそれぞれのiPhoneなどから操作することができます。

「ホーム」アプリは、Apple製品には最初からインストールされていますが、もし見つからない場合は App Store からインストールすることもできます。

App Store からインストールすることもできる

下図は実際の「ホーム」アプリの画面です。 部屋ごとにスマート家電の状態を確認でき、家電の電源をON/OFFしたり動作を変更したりすることができます。

実際にスマート家電を登録したホームアプリ

なお「スマートホームとは」でも述べたように、スマートホームは家庭内のスマート家電がWi-Fiにつながっている状態が前提となりますので、ご家庭にWi-Fi環境が整備されていることが前提になる点は注意しましょう。

「ホーム」アプリでは何ができるか?

それでは、具体的に「ホーム」アプリで何ができるのかを紹介しましょう。

部屋

「ホーム」アプリでは最初に「部屋」を登録します。 「家電がどこの部屋にあるのか」を管理するためです。 「リビングの電気を消したい」などのように、家電は部屋の単位で操作したい場合が多いですからね。 部屋に複数の照明器具があってもまとめてON/OFFすることができます。

また温湿度計を設置していれば、部屋の温度・湿度も「ホーム」アプリから確認することができますので、スマートホームにおいて「部屋」という単位はとても重要です。 (当たり前のように聞こえるかも知れませんが、この「部屋」という考え方がないスマート家電のアプリは結構あります)

アクセサリ

「ホーム」アプリでは、スマート家電のことを「アクセサリ」と呼んでいます。 電球・温湿度計・エアコンなど、どれも「アクセサリ」と呼びます。

「ホーム」アプリへのアクセサリの追加は、スマート家電の本体や説明書についているバーコードを読み取るか、iPhoneに近づけるだけで追加することができますので、とっても便利です。

シーン

「ホーム」アプリには「シーン」という考え方があります。 実際に私の実例を挙げて説明すると、私はリビングの照明を朝や昼間は自然な昼白色に、夜は少しオレンジがかった温かみのある温白色にしています。 つまり「朝・昼」と「夜」とでシーンをわけて照明の色を分けています。 このように生活のシーンに合わせたスマート家電の設定を登録しておくことができます。

シーンの使い分けの例

  • 時間帯に合わせた設定
  • 「仕事を開始する」「ゲームをする」などの生活シーンに合わせた設定

オートメーション

そしてスマートホームの最大の魅力が「オートメーション」です。 「オートメーション」は、例えば「夜になったら照明の色を変える」「家に近づいたらエアコンを入れる」などのように、人間(あなた)が指示をしなくてもスマート家電が自動的にON/OFF、設定の変更をしてくれるようにする設定です。 如何に手間を省いて快適な空間を実現するのか、一番の頭の使い所です。

スマート家電の状態を何をキッカケにして変更するのかを考えることが重要となり、「オートメーション」では次のような「イベント」を選ぶことができます。

オートメーションの登録画面
  • 人が到着
  • 人が出発
  • ある時間が来たとき
  • アクセサリがコントロールされたとき
  • センサーが何かを検知したとき

例えば、私が設定している実例を挙げると

  • 家族全員が家を出発すると、家中の照明やテレビが消える
  • 家族の最初の人が家に到着すると、家の照明が点く
  • 日の入り1時間前になると、リビングの照明の色が温白色に変更される
  • 夜21:00を過ぎると徐々に寝室の照明が暗くなり消える
  • 洗面所で人を感知すると照明をつける

このように、人が家電の操作をしないでも快適な空間を作り出すことを助けてくれるのが「オートメーション」です。

家族との共有

「ホーム」アプリでの設定は、家族に共有することができます。 家族それぞれの Apple ID を指定して「メンバーを追加」するだけで、上記の「部屋」「シーン」「オートメーション」が共有されます

対応するスマート家電は?

スマートホームを実現するには「ホーム」アプリだけがあれば良いわけではなく、対応したスマート家電も必要です。 Appleの「ホーム」アプリから操作できるスマート家電は、Apple認定の次のロゴバッジがついたものです。

Appleの「ホーム」アプリに対応したスマート家電は、Appleの規格「HomeKit」に対応したものです。 上のロゴバッジがついている家電は、この規格「HomeKit」に対応したものということです。 皆さんが今後「ホーム」アプリを中心としたスマートホームを実現するのであれば、この「HomeKit」というキーワードはとても重要になりますので、覚えておくようにしましょう。

Apple認定のスマート家電は、Appleのこちらのページでリストアップされて紹介されていますが、日本で利用できる具体的な製品の紹介は、当ページでも解説していく予定です。

戻る | 一歩先行く生活を実現! 初心者のためのスマートホーム入門